フィルムを現像タンクに収めるところまで完了しましたので、今回ついに、現像本番です!

ものすごくざっくり説明すると、何種類かの薬品をタンクに入れて出して、またタンクに入れて出して
そしてタンクに入れて出します

一応注意事項。
薬品が出てくるので前回よりはちょっと多くなります。

  • 使う薬品の順番を間違えない。(画像が消えます)
  • 薬品をこぼさない。(テンションが下がります)
  • それぞれの薬品を混ぜない。(使えなくなります)
  • 薬品を目や口に入れない。(最悪死にます)
  • 薬品は他の家族の迷惑にならないように保管を行う。(家庭内でハブられます)

ただ、リール巻き取りよりも全然簡単な作業です。あまり気を張らずに、リラックスしてやりましょう。(重要)

現像条件を調べる

まずは自分の持っている現像液とフィルムの組み合わせで、現像処理の時間がどうなっているかを調べます。

Massive Dev Chartという便利なサイトがあります。
フィルムと現像液の組み合わせで、現像処理の時間、現像液の温度を簡単に調べられます。

ちなみに、スマホ用アプリも出ています。
アプリだと設定を調べた後、そのままタイマーとしても使えるので、非常にオススメです。
以下の説明はアプリ版をもとに進めていきます。

今回は例として、Kodakの400TX(トライX)をTMax Developerの1+9希釈で使う場合を例にします。
(TMax Developerは1+4希釈が標準ですが、1+9でも使えますし、その方が長く使えるので……w)

調べた結果このような設定が出てきました。

  • 現像液(Tmax Developer)は1+9に希釈する。
  • 現像液の温度は20℃にする。
  • 現像時間は10分30秒

1+9希釈は原液1に対して水が9、つまり10倍に薄めるということです。

まただいたいの現像液は20℃で使うようになっていますので、
同じ現像液で温度の指定がいくつかあるときはとりあえず20℃で間違いないです。

また現像時間はだいたい6~10分の範囲にあるものがやりやすいです。
6分より短い時間で処理が完了するものはそれだけ時間以外の条件の影響が大きくなりやすいので、
(ちょっとした温度の誤差だったり、現像液の濃度だったり)
毎回同じ処理をしているのに仕上がりが全然違うー、ということになりやすいんです。
逆に10分以上かかるものは、単に長くて飽きるのでやめておきましょう。w

薬品を用意する

処理に必要な薬品を用意していきます。
kashimasaが使うのは全て濃縮液タイプなので、直前に水で薄めるだけですぐ使えます。

今回のタンクは液量が250mlなので、その分の薬品を水で薄めて作っていきますが。
計りとる量が分かりやすいように、1回使い捨ての現像液以外は1Lで作っておくと楽だと思います。以下はその一例です。

現像液(250ml):TMax Developer (1+9) … 原液25ml + 水225ml
停止液(1L):Ilfostop (1+19) … 原液50ml + 水950ml
定着液(1L):Ilford Rapid Fixer (1+4) … 原液200ml +水800ml

1mlズレたところで仕上がりにはそんなに影響を与えないので、ぶっちゃけ細かいところは適当にやっちゃっても大丈夫だと思います。多分。

液量よりも液温の方が大事です。薬品を薄めるときは20℃に調整した水を使いましょう。
水が冷たすぎると反応が進まず薄いネガになったりします。

また停止液や定着液は保存しておいて何度か使用できますので、保存瓶を用意して次回のために取っておきましょう。
ペットボトルとかで良いけど、分からなくならないようにね。

ということで、最初に薬品3種類を作っておけば、しばらくの間は現像液を用意するだけで大丈夫になります。
kashimasaはフィルム20本ごと、または3ヶ月ごとに新しくしています。

さて、ここからがいよいよ「自家現像」の本番です!

薬品① 現像液

現像液を計量カップなどに必要な分だけ用意して、タイマー(アプリ)をすぐ押せる状態にしておきます。

タンクの上蓋(小さい方)を開けて、現像液を静かに注ぎ込みます。
カップの現像液が全てタンクに入ったらタイマーをスタートさせます。

すぐに上蓋を閉めて、タンクを攪拌します。攪拌といってもシャカシャカと振るのではなく、
静かにタンクを逆さにして、戻して……という方法で行います。
逆さにしたときに蓋が外れないように、両手でしっかり押さえながら行いましょう。

現像液を入れて最初の1分間は、休みなく攪拌を続けます。
Massive Dev Chartのアプリを使うと、どれくらいのペースで攪拌をしたら良いかがアニメーションで表示されます。
結構ゆっくりです。

1分経ったらタンクの角を洗面台の縁などにコンコンと当ててから平らな台の上に置きます。
このコンコンで、フィルム面に付いた気泡を取る意味があります。

1分放置して、タイマーが2分を示したらまた攪拌を行います。
今度は連続ではなく、3回~4回、10秒ほどです。攪拌が終わったらまたコンコンをやって、放置します。

このように、1分単位で10秒攪拌→50秒放置を規定時間までやります。
今回の現像時間は10分30秒なので、結構長いですね。作業時間の5/6は待っているだけですから割とヒマです。
この間に、次の薬品(停止液)を計量カップなどに用意しておくと、スムーズに作業が進められます。

薬品② 停止液

規定の現像時間(今回は10分30秒)が経ったら蓋を開けて現像液を排出し、
全て現像液が出たら間髪入れずに停止液を流し込みます。
(ここが一連の作業の中で一番大事な部分です!)
現像液を排出した後もフィルム面に付いた現像液で反応が進むので、あまりにもモタついてしまうと現像ムラが発生します。
画像に変なシミなどが出てきてしまうんです。そうならないためにも、現像待ちの間に停止液は用意しておきましょう。

停止液を注ぎ終わったら蓋をして、タイマーを再びスタートします。そして攪拌。1分間連続で倒立攪拌を行います。

停止液に浸けるのは1分だけなのでコンコンは必要ありません。
時間が経ったら停止液をタンクから出して、保存ビンに戻します。

停止まで終われば、後はそんなにせかせかすることはありません。

薬品③ 定着液

定着液を現像タンクに注ぎ込んで、タイマーをスタートします。
現像液と同様、最初の1分間は連続攪拌、それ以降は1分単位で10秒攪拌→50秒放置です。
やっぱりほぼ待っているので割とヒマです。それ以後使わない道具とかの片付けでもやりましょう。

イルフォードのやつなら2分~4分もやれば大丈夫だと思う。

時間が経ったら排出、そして保存ビンに戻す。大体この辺の流れは共通です。

予備水洗

定着液を排出したら現像タンクの蓋(でかい方)をいよいよ外します。

そしてリールからフィルムを少し引き出して、現像がちゃんとできているか確認します。
透明なベースに黒い画像が出ていたら大成功。「おー写ってるー!」と喜びを噛み締めてください。

この時に出てきたフィルムが微妙に半透明だったりしたら、定着がまだ完全ではないかもしれません。
そういう時は慌てず騒がず、もう一度定着液に浸けて攪拌すればOKです。
停止液に浸けてしばらく経てば現像作用は止まっているので、実はもうタンクを開けても大丈夫だったりします。

ひとまず、写っていることが確認出来たらフィルムをリールに戻します。

リールに巻き取られたままのフィルムを軽く水洗い。タンクに水を満たしてバシャーっていうのを3回くらいやれば良いと思う。

薬品④ 富士QW

定着液に浸け終わったらもうフィルムの反応は終わっていますが、それ以後も使った方が便利な薬品があります。
富士QWもそんな薬品です。
フィルムに付いた定着液をきれいに洗い流すためには10分くらい流水で洗う必要があるのですが、
これに1分ほど浸けておくことで水洗時間を半分の5分まで短縮できます。
粉末で売られているので水に溶かしておく必要がありますが、一度水に溶かしておけばフィルム200本分の処理が可能ですし、
なにより100円もしないで買えるので、使うことをおすすめします。2L分で売っているので、やたらたくさん出来ちゃうけどな。

ちなみにQWも「コンコン」は必要ありません。蓋を開けたままのタンクに注ぎ入れて1分放置すればOK。
きれいな水色で美味しそうですが間違っても飲まないでください。そんな奴いないか。

ところでQWって何の略? Quick Washerとかそんな感じかな。

水洗

先ほどQWを使ったので5分間流水に晒しておけばそれでもいいのですが、
水を5分も出しっぱなしにするのが勿体ないという人もいることでしょう。
しかしIlfordのRapid Fixerを使用していれば、以下のような方法でも水洗が可能とメーカーが公表しています

・タンクに水を入れて5回倒立攪拌をする→水を捨てる
・タンクにまた水を入れて10回倒立攪拌をする→水を捨てる
・タンクに(ry)20回倒立攪拌をする→水を捨てる

タンク3杯分で済むので、5分出しっぱなしより大幅に水を節約できます。
不安な人は最後にもう1回20回の倒立攪拌をプラスしたり、終わった後に軽く水ですすいでおけば完璧。

しかもこのやり方だと5分より速く水洗が完了する。おすすめですよ。

薬品⑤ ドライウェル

水洗が完了したところですが、最後にもう1種類薬品が出てきます。
これまた富士から出ているドライウェルというもので、水の表面張力をなくして乾燥中の水滴ムラを防ぐ作用があります。
主成分は界面活性剤。要は洗剤みたいなもんでしょうか。
(だからって代わりに洗剤を使わないでくださいね)

説明書きによれば、規定の濃度に薄めた水溶液にフィルムを30秒~1分浸けておくらしいんですが、
めんどくさがりのkashimasaはいつも、
水を入れたタンクにキャップ1/3くらいの原液を入れて指でリールをぐるぐるぐる……
などというものぐさな使い方をしております。
ちゃんと効果が出ているのか、むしろ悪影響があるのか、その辺は正直よく分かりません。
あまり真似しない方がいいかもしれません。

ドライウェルに浸ける時間は約30秒。
その間にフィルムクリップなどを用意して、最後の工程(乾燥)の準備をしておきます。

乾燥

いよいよ最後の工程です。
ドライウェルの液からリールを静かに持ち上げて、軽く振って水滴を落とします。

端を引き出してクリップを挟み、高い場所に引っかけたらリールを静かに下ろしていってフィルムを引き出します。
最後まで引き出すとリールは自然に抜けますので、もう片方にもクリップを挟みます。

埃の少ない場所がお勧めです。お風呂とか。タオル掛けるポールなんかにクリップ掛けられますし。

ポールにこういうフックを通しておくと便利です

 

ところで、36枚撮りフィルムは長さにして1.5~2mくらいはありますので、
かける場所は自分の顔の高さ以上にしておかないと、床にフィルムが付いちゃったりします。
ま、お風呂のポールなら多分大丈夫じゃないかな。

ながーい

 

あとは数時間放置します。
お風呂乾燥機が付いていれば1時間で済ませることも可能ですが、その場合はフィルムに熱風が直接当たらないように、端っこに掛けましょう。
本来は一晩くらいじっくり乾燥させた方が良いみたいです。
言うまでもなくその間お風呂に入れませんので、他に家族がいる場合は皆寝た後とかにやりましょう。

これでフィルムの現像処理は終了です。
手順になれてくればフィルムの巻き取り~お風呂に吊すまでで30~40分くらいでできるかと思います。

文字にしてみるといかにもややこしいですが、フィルムに画が出ていた瞬間の感動はひとしおですよ。
ぜひ興味のある方はやってみてください!