フィルム写真を撮影していて、しかも自家現像をしていますと言うと、
なんだかものすごく高度なことをしているように思われがちですが、
実際のところそんなに難しい作業ではないんです。
難易度で言えば、小学生時代の理科の実験レベルの作業です。

フィルム写真に興味を持って、自分で撮影をしたのなら、
次は自分でフィルムを現像してみましょう。
自分が説明するまでもなく、既にたくさんの人が解説していますが、
kashimasa的なスタイルを紹介してみようと思います。
最初に断っておくと、かなり適当です。
詳しい人からすれば「うわぁ……」なところも多分あるかもしれません。
でも、フィルムに画は出てきているのでよしとしています。

フィルムの自家現像に必要なもの

前置きはこのくらいにして、
早速実際の作業に必要なものを紹介していきます。
なくても良いものも若干ありますが
やりやすそうなものを最低限用意して始めてみてください。

現像タンク・リール

必須度…★★★★★

現像タンク

まずこれがないと始まりません。
缶(パトローネ)から取り出したフィルムを巻き取るためのリールと
液体は出し入れできるけど中に光が入らない構造の容器(タンク)のセットです。

プラスチック製のものとステンレス製のものがあります。
一度に現像できるフィルムの本数によって、
1本用から4本用まで(あるいはそれ以上)、サイズも様々です。

プラスチック製タンクとその中身。35mmフィルムを2本同時に処理できる。

ステンレス製タンクとその中身。35mmフィルム1本のみの処理のため非常にコンパクト。

プラスチック製リールの方がフィルムが巻き取りやすいので
初めて現像する人には使いやすいと思います。
ステンレスタンクは熱伝導率がプラスチックより高いので
タンク自体を温めて薬品の温度を調整することができます。
またプラスチック製よりも小ぶりで液量が少なめで済むことが多いです。

kashimasaはプラスチック製の2本処理できるタンクと、
ステンレス製の1本処理のタンクを1つずつ持っています。
撮り終わったフィルムをその日の夜に現像することが多いので、
最近はステンレスばかり使っています。

ダークバッグ

必須度…★★★★☆

これも必須の道具です。
裾が開いていないジャンパーのような形をしています。

フィルムの現像だけなら暗室は必須ではないのですが、
パトローネを開けてタンクに収めるまでに光が当たると
撮った写真が消えてしまうので、こういう袋の中で作業します。
夜中に布団かぶってでもできないことはないですが、
ダークバッグを使った方が圧倒的に便利です。

処理薬品

必須度…★★★★★

現像液、停止液、定着液ほか

なければフィルムに対して何の反応も起きません。必須です。

フィルムを現像する処理には
大きく分けると現像停止定着の3つの過程があります。
それぞれに違う薬品を使って処理します。

  • 現像液

フィルムの光が当たったところの銀イオンに反応する薬品です。
Kodakの「D-76」というのがド定番の現像液。
ただしこれは粉をお湯に溶かしておく必要があり、
溶かした状態の現像液は長持ちしないので、
ちょこちょこ現像したい人は濃縮液タイプの現像液をおすすめします。
同じくKodakから出ている「TMax Developer」が入手しやすいです。
(上画像の真ん中に写っている瓶です)
濃縮液なら必要な分だけ薄めて使えるので、かなり長持ちしますよ。

  • 停止液

現像液をタンクから出した後も、フィルム面に残った現像液で
反応は進んでしまいます。
その反応を一気に止めるための薬品が停止液。
現像液は主にアルカリ性なので、酸性の液体で中和して
作用をなくすんですね。
昔ながらの酢酸水溶液を使うこともできますが、臭い。w
kashimasaはAdostopという停止液を使っています。(左奥)
酢酸ではなくクエン酸なので強い臭いがなく、
また何度も使って効果がなくなってくると
色が変わって替え時を教えてくれます。色は変わらないタイプでした。
色が変わるタイプならIlfordのIlfostopという製品が入手しやすいです。

ただ、ぶっちゃけ停止液の代わりに水でもなんとかなるとの噂。

  • 定着液

光が当たらなかった部分の銀イオンを除去する薬品です。
実はこの定着液が一番臭い。w

Ilford Rapid Fixerというのがイチオシです。(右奥)
「酸性非硬膜定着液」といって、
フィルムにコーティングの膜を作らないタイプの定着液がいいらしい。
詳しいことはよく分かりませんが。

  • その他

定着が終わった後のフィルムは水洗してから乾燥させるわけですが、
水洗時間を短縮することができる「富士QW」や、
乾燥させる前に水溶液に浸けることで水滴が付きにくくなる
ドライウェル」という製品が富士フイルムから出ています。
なくても困らないといえばそうですが、
そんなに高い物ではないので、いっそ全部買っておきましょう。

はい、必要な薬品全部まとめまーす。

  1. Kodak TMax Developer (現像液) … \2,600
  2. Ilford Ilfostop (停止液) … \1,390
  3. Ilford Rapid Fixer (定着液) … \2,210
  4. 富士フィルム 富士QW (水洗促進剤) … \72
  5. 富士フィルム  ドライウェル (水滴防止剤) … \349

書いてある値段は2018/04/20現在のヨドバシドットコムでの値段です。
全部で7,000円弱ですな。

フィルムクリップ

必須度…★★★☆

実は4組持っています。

フィルムを吊り下げて乾燥させるときに
両端に付ける重りつきのクリップ。
吊り下げられれば洗濯ばさみでも何でも良いのですが、
重りが付いているのでピンとさせられて便利です。
大体2個セットで売っています。多分あった方が良い。

計量カップ、注射器

必須度…★★★★

実験っぽい。

各薬品の液量を計ったり、
タンクから排出した液を一旦貯めておくのに使います。
ごく少量を計りとる場合は注射器の方が便利かも知れません。
メスカップというものもあります。
理科の実験で使った「メスシリンダー」のような形の計量カップです。

ヨドバシの暗室用品コーナーでも専用品が売っていますが、
液量が計れれば何でも良いです。
kashimasaは100均の計量カップと注射器を使っています。

薬品どうしが混ざるとあまり良くないので、3つか4つあれば万全ですが、
よく洗いながら使えば1個でもなんとかなります。

保存瓶

必須度…★★★★

茶色が停止液、白が定着液の保存瓶。現像液は使い捨てなので保存瓶がありません。

薬品を保存しておくための瓶。
停止液、定着液は薄めた後も比較的日持ちするので、
瓶に入れて保存しておき、また次に使います。

これも「瓶」ならぶっちゃけ何でも大丈夫です。
空きペットボトルでも問題ありません。
ただし何の薬品なのか分かるようにちゃんと書いておきましょうね。
それから間違えて飲まないように、飲み物の近くに置いちゃダメですよ。

キッチンタイマー

必須度…★★★☆

フィルムと現像液の組み合わせで処理時間は決まるので、
時間を計るためのキッチンタイマーがあると便利です。

ただ、こういう便利なものもあります↓

これだとフィルムと現像液の組み合わせから現像時間を調べて
そのままタイマー機能もあるので、kashimasaはこっちを使っています。
スマホを濡らさないように気をつけましょう。

温度計

必須度…★★★★

処理温度も低すぎたり高すぎたりすると現像結果に影響があります。
たいていの現像液は20℃で使うようになっているので、
20℃が測れる温度計を用意しましょう。
ただの棒温度計で大丈夫ですよ。割らないように注意。

ゴム手袋

必須度…★★☆

薬品類はぶっちゃけ体に良いものではないので、
手荒れなどが心配な方はゴム手袋をして作業するといいでしょう。
kashimasaは手汗がすごいので使っていません。

フィルムピッカー

必須度…★★★

取り終わった後のフィルムは
ベロの部分を中に巻き込んでしまっていると思いますが、
このベロをもう一度外に出すための道具。
これを使えばパトローネを壊さなくても
フィルムを引き出すことができます。
パトローネを壊すならなくても済むのですが、
長巻フィルムを使うならパトローネを再利用できるので、
結果的に買った方がコスパが上がるかもしれません。

ネガシート

必須度…★★★★

現像処理が全て終わった後、フィルムを収納するビニールの袋です。
6コマずつに切ったフィルムがちょうど入るようになっています。
現在日本で販売されているのは富士フィルムの1種類だけかも。

海外だと6コマではなく5コマで切ることも多いらしいので、
他のものと個人輸入するときは気をつけましょう。

栓抜き

必須度…★★☆

パトローネを壊して開ける人は使用します。
ま、素手で開けられないこともないんですがね。
いずれの場合もケガしないように気をつけましょう。

はさみ

必須度…★★★★★

カメラに装填するためのフィルムのベロ部分は
リールに巻くときに邪魔なので切り落としてしまいます。
はさみが家にない方はあまり居ないと思いますが、これも必要です。

 

だいたいこんなところの道具を揃えれば、
あなたもフィルム現像を始められます!

全部揃えるのにかかる費用は…多めに見積もって2万くらいですかね。

ヨドバシカメラなど大きな写真用品店に行けばコーナーがありますが、
(通販でも買えます)
安く始めたい方はヤフオクなどを探してみてください。
薬品は新品で買うしかないとしても、現像タンク、ダークバッグ、
フィルムクリップなどはヤフオクでもよく出ていますよ。
頑張って探せば1万以内で揃えることも出来たりします。